
昨年来から繰り返し仕掛けてくるスマホアフィリエイトのオファー。
「進撃の錬金術」「最速スマホアプリビジネス」「最速アプリ」「スマホdeアプリビジネス」の4サイトを巧みに使い分け、オファー運営者にとって最終目的のアプリビジネスマスター塾へと誘導し、首尾よく参加者から約30万円の入塾費用をせしめています。
これまでもイカサマ詐欺師たちのメルマガで定期的に紹介されていたのですが、最近かなりの頻度でこの4サイトをメルマガで見かけるようになりました。
インフォトップのアフィリエイターログイン画面でもこのところバナー掲載されています。
そこで、他の運営ブログではすでにレビュー済みですが、再度注意喚起の意味合いを込めて、当アフィリ課ブログでも取り上げたいと思います。
作業後わずか1日後に初報酬発生、最速スマホアフィリエイトビジネス
URL:http://apps.jp.net/letter/tpdbon/lp1/
URL:http://apps.jp.net/letter/tpdbon/lp2/
URL:http://apps.jp.net/letter/tpdbon/lp3/
URL:http://apps.jp.net/letter/tpdbon/lp4/
販売業者:Dacoon株式会社
運営責任者:上田幸司
目次
進撃の錬金術・最速スマホアプリビジネス 上田幸司 レビュー
進撃の錬金術・最速スマホアプリビジネスは、「ブログより簡単で、日本語さえできれば誰でも簡単に使いこなせる」機能を備えた上田幸司氏開発の「APP Studio Pro(アップ・スタジオ・プロ)」アプリ開発ツールを使って、スマホアフィリエイトビジネス参入を促すオファーです。
これまでのオファーでは、このAPP Studio Proは、上田氏運営の「アプリビジネスマスター塾」の受講生限定ツールです。
入塾費用は約30万円。
ネットビジネスではお馴染みの高額塾という図式です。
セールスレターでは塾生になると、次のようなことが実現すると謳っています。
- 顔出しなし、匿名OK完全在宅
- 取り組んでから最短で当日に報酬が発生
- 月に48万円以上の継続収入
- 平均して2日以内に報酬が発生
- 不労所得で日給1万円以上
- 広告費や仕入れ資金も不要
- さらに周りの人に自慢が出来る
さて、「APP Studio Pro」を使えば、本当に人気スマホアプリが制作できるのでしょうか。
動画で紹介されているアプリを多方面から検証してみたいと思います。
どんな業種でも制作事例や施工実績は、ある意味自社にとって好都合な作品を真っ先に公開する傾向にあります。
ほめられた商慣習ではありませんが、平均的な完成度以上のクオリティを持った作品を、あたかも自社の標準スキルであるかのように見せたがる、一種の営業手法といえるでしょう。
そのため、作品事例は最高作品であり、紹介時点においてその企業にはそれ以上のものがないということになります。
そういう意味合いにおいては、「進撃の錬金術・最速スマホアプリビジネス」も例外ではありません。
上田氏にとって、動画で紹介した作品は自信を持ってプレゼン対象品に選んだ代表的なスマホアプリなわけです。
したがいまして、今回のオファーを批評するにあたり、最も優れた作品を取り上げるわけですから、誰にも異論はないはずです。
論理のすり替えでスマホアプリへとミスリード
具体的な作成事例に入る前に、このオファーの前提となるスマホアプリ市場参入への背景が語られます。
いかにスマホアプリはWebサービスと比較して競争が少なく、最も稼ぎやすい市場かを動画視聴ユーザーに刷り込むための小芝居です。
- パズドラ、LINE、Instagramのような世界的人気アプリとごみアプリとのダウンロード数を合算して「アプリ1つあたり平均4~5万回ダウンロードされる」といった稼げるイメージを植え付ける。
- スマホアプリの登録数を過小評価させるため、無関係な億兆レベルのドメイン取得数やWebページ総数を引き合いに出す。
- 伏字にしたキーワードでWeb検索とGoogle playアプリの検索結果を比較し、いかにスマホアプリ市場が有利かを一方的に説いていく。
スマホアプリの需要と将来性には目を見張るものがあります。
しかし、この小芝居は、比較対象を全く無視した論理のすり替え甚だしく、呆れるばかりです。
Webでは勝ち目がなく、スマホアプリビジネスありきという図式を勝手に成立させてしまい、動画内の寸劇はこの前提で話がどんどん進み、スマホアプリがダウンロードされたら「アプリ広告」で収益を出す、というアプリの収益モデルが示されます。
その実際のアプリとは?
制作事例アプリ、ダウンロード数の怪
動画内の事例アプリにはそれぞれダウンロード(以下、DL)数が明記されています。
しかし、その数字を確かめようとしても、Google Playでのインストール数は、5,000~10,000のようなカウント幅があり、正確な数字は掴めません。iTunes Storeに至ってはDL数の表示すらありません。
実数に近付けるために、私が本業でアプリのDL数の市場調査をするときに用いる次のツールを利用しました。
Xyo - Apps to the people - App Annie
公正を期すため、以下の調査数字は、動画が公開された時期と合わせるため昨年末時点のDL数を採用しました。
- SAO検定アインクラッド編
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ダウンロード数:公称 3万ダウンロード
Google Playページ:5,000~10,000
iTunes Storeページ
調査結果:Androidスマホ-5,900/iPhone-14,000/iPad-1,000以下でランク外=合計 19,900(±1,000)
公称30,000 > 調査19,900 - 【高卒レベル】一般常識確認クイズ
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ダウンロード数:公称 3万ダウンロード
Google Playページ:10,000~50,000
iTunes Storeページ
調査結果:Androidスマホ-10,900/iPhone-5,800/iPad-1,000以下でランク外=合計 16,700(±1,000)
公称30,000 > 調査16,700 - 癒やしの音楽まとめ
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ダウンロード数:公称 5万ダウンロード
Google Playページ:10,000~50,000
iTunes Storeページ(すでにリンク切れ)
調査結果:Androidスマホ-12,000/iPhone-8,500/iPad-1,000以下でランク外=合計 20,500(±1,000)
公称50,000 > 調査20,500 - センター試験日本史B
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ダウンロード数:公称 3万ダウンロード
Google Playページ:10,000~50,000
iTunes Storeページ
調査結果:Androidスマホ-12,000/iPhone-5,000/iPad-データ取れず=合計 17,000
公称30,000 > 調査17,000
凡例:ダウンロード数(動画内公称DL数)/Google Playページ(Google公式DL数範囲)/iTunes Storeページ(iTunesリンク)/調査結果(上記サイトでのDL数)
(±1,000)はiPadが1,000以下で未確認のため。
動画内で表示された数字は、私が調査したDL数より約2倍の数字です。
そして、このDL数には2つの特徴があります
- どのアプリも過去数カ月はDLされていない。
- Google Playは、例えば5,000~10,000のようにDL数の範囲が公開されています。
- 5,000~10,000 → 5,900
- 10,000~50,000 → 10,900
- 10,000~50,000 → 12,000
- 10,000~50,000 → 12,000
ご覧のようにどのアプリも最小DL数範囲のギリギリです。
この数字が作為的に見えてしまうのは私だけでしょうか。
私の調査方法に疑問を持たれた方は、ダウンロード数が公開されている有名なアプリを対象にして、先ほどのサイトからそのDL数を確認してみてください。
どちらが正しいか一目瞭然です。
APP Studio Proというアプリ開発ツールは使えるのか?
このオファーの上田幸司氏が運営するビジネススクール受講生は、同氏開発「APP Studio Pro」ツールを用いて、これまでに1,500種類のアプリを開発したそうです。
動画で紹介していた事例アプリは、1,500アプリ中、選りすぐられたアプリのはずですが、どのアプリもダウンロードして使いたいと思えないのは私の穿った見方でしょうか。
その答えは、上図のダウンロード数が示唆していると思います。
「早くて2時間、遅くて翌日」という短時間で「月に48万円以上」など到底稼げません。
不具合のアップデートもせず、「あとはほったらかし」にして、面白くて人気の出るアプリが果たして作れるでしょうか。
クレーム対応に追われるか、アプリがゴミ化するだけでしょう。
そうなると、今度はAPP Studio Proツールの真意の程が気になるところです。
動画では、iOSアプリ開発で使うXcode開発環境下でObjective-C言語を使ったデモンストレーションを行っています。
この言語を習得するには数千時間掛かるので、素人には到底無理な代物ですよという刷り込み映像です。
だから「ブログより簡単で、日本語さえできれば誰でも簡単に使いこなせる」上田幸司氏開発の「APP Studio Pro」アプリ開発ツールを使って、スマホアフィリエイトビジネスに参入すべきという既定路線にしっかりと舵を切ってきます。
しかしながらこのツールは、上田幸司氏運営「アプリビジネスマスター塾」受講生の限定ツールとのこと。
遂に高額塾への誘導が始まりました。
ただし、高額塾うんぬんの前に一つ片づけておくことがあります。
Objective-Cって何だろうって、あなたは思いませんか?
実は、Objective-Cは30年以上も前に開発された言語で、Android のように現在のスマホアプリを前提としていなかったため、オブジェクト指向言語でありながらも非常に癖が強く、プログラミング初心者には向かないものです。
そこで「Swift」の登場です。
「スイフト」と読みます。
Swiftのリリースにより、Objective-Cで長い記述が必要であった処理が短くなり、他の言語の優れた点が多数導入されています。
昨年の6月にAppleから発表されたSwiftは、Apple社の方針転換により、iOSプラットフォームの推奨言語に置き換わり、iOS Developer Program申請時には大きなアドバンテージを得ることができます。
もっとSwiftの説明を続けてもいいのですが、本題の趣旨から外れそうなので、この辺でやめておきます。
いずれにせよ、動画で紹介された制作事例は、代表作にもかかわらず、どのアプリも私には陳腐なものに見えました。
「進撃の錬金術・最速スマホアプリビジネス」まとめ
最後にいくつか付け加えておきます。
「ねんど」とは通常 Nend(ネンド)といって、スマホアプリ向けのクリック課金型のアフィリエイトを提供している、A8.netと同じファンコミュニケーションズ運営の会社です。
このオファーとはまったく無関係です。
そして、セールスレターでは「広告費や仕入れ資金も不要」と謳っていますが、アプリ公開時にはGoogle PlayやApple Developerへの登録料が必要になります。Googleは$25 USD、iOSは年間11,800円(現在リンク切れ)の支払いが発生します。
ここまで批評してきましたが、私としては「進撃の錬金術・最速スマホアプリビジネス」を次のように総括します。
論点をすり替えてスマホアプリビジネスへと誘導し、ダウンロード数を捏造した制作事例でスマホアプリビジネスを魅力ある収益モデルに仕立て上げる。
Apple推奨ではなくなったプログラム言語のアプリ開発ツールを持ちだしてきて、徒労に終わる陳腐なアプリをせっせと作りだす。
アプリビジネスマスター塾や無料セミナーへの参加を募る、ネットビジネス界ではお馴染みの高額塾への勧誘です。
何度となく繰り返されているオファーですが、ダウンロード数、デベロッパーサイトの投稿日、アップグレードといったアプリに関わる数字は、昨年以来、停止した状態です。
もはや、オファーは高額塾勧誘のためだけに作り出されたハリボテ的な存在価値しか見いだせず、アプリもゴミ同然のように埋没した遺物そのものです。
それでは、福山真樹夫でした。
ポケットビジネスからメールで勧誘されてます。
本当かな?とネットで検索していたら、このブログが目に付きました。
ありがとうございます。
もう少しで高額な塾に入るところでした。
OBAはどうでしょう?
コメントありがとうございます。
返事はメールさせていただきました。
よろしくお願いします。