2ちゃんねる転載の許諾制度がもたらすアフィリエイトへの影響

2ちゃんねる転載の許諾制度がもたらすアフィリエイトへの影響

2ちゃんねるはアフィリエイトを行う上で主要な情報ソースになります。

記事やスレッドを転載したまとめサイトの運営を筆頭に、まとめサイトで行うアフィリエイト手法を解説した情報商材の販売、2ちゃんねる掲載のニュース記事を集客過程でコピペするツールなど、2ちゃんねるのコンテンツは様々なアフィリエイトに利用されています。

その2ちゃんねるの運営会社RaceQueen社より、11月1日以降、2ちゃんねるのまとめサイトを許諾制にし、無許諾サイトには法的処置を取るというニュースリリースがありました。
2ちゃんねるサイトのスレッドをまとめた「まとめサイト」や「まとめブログ」は、今後、2ちゃんねる運営会社からコンテンツ使用許諾を得なければ運営できなくなります。

RaceQueen社からコンテンツの使用許諾を得ないまま、スレッドを利用することは複製権や公衆送信権などの著作権侵害となり、刑事上及び民事上の法的責任が発生し、違法行為を発見し次第、刑事及び民事による適切な法的対応を取ると発表しています。
また、検索エンジン運営会社、広告主、広告代理人などの関係各社に通知の上、著作権侵害に対して厳正に対処していくということです。

公表された内容では「まとめサイト」や「まとめブログ」と言っていますが、2ちゃんねるの記事やスレッドを転載する行為そのものを指していると判断すべきであり、今後はアフィリエイトを行う上で2ちゃんねるからの無断引用は避けたほうが良さそうです。

ネットビジネスで販売される情報商品は内容の良し悪しに関わらず、商材のマニュアルには2ちゃんねるやまとめサイトからの転載を堂々と謳った手法が現在数多く出回っています。
これらのツールや商材によって作られたコンテンツは、2ちゃんねるのスレ自体がニュースサイトからの無断転載ですから、まとめサイトからコピペした記事は第四世代となり、本記事→子記事→孫記事→ひ孫記事が入り乱れた状態です。

これまで2ちゃんねるは原則「転載禁止」としながらも、依然として転載に関するルールが曖昧である所以です。
しかしながら今回、2ちゃんねるそのものが抱える著作権問題を棚上げにしたまま、2ちゃんねるまとめサイトを「許諾制」にするという発表があったわけです。

以下に許諾制の内容を抜粋します。

使用許諾を受けることができる運営者

  • 2ちゃんねるまとめブログのルールに基づいた運営ができる方

使用許諾を受けることができない運営者

  • 2ちゃんねるのコンテンツを無断でクロールし、コピーサイトを作成している運営者

2ちゃんねるまとめブログのルール

  • 引用元のスレッドへのリンクを貼ること
  • aタグで貼ること。リンク時にnofollow属性を付けない。
  • 指定された広告を1つ貼ること
    この広告から得られる収益は2ちゃんねるのサービス向上、システム維持・増強に利用される。

2ちゃんねるまとめブログの禁止事項
2ちゃんねるまとめブログの記事作成において、以下の行為は禁止。

  • ステルスマーケティング記事の作成
  • レス内容の捏造及び改変
  • ニュース速報(嫌儲)板のスレッド内容をまとめた記事を掲載すること
  • 元スレッドへのリンクを張らずにまとめ記事を掲載すること
  • 指定された広告を張らずにまとめ記事を掲載すること

引用元:https://www.2ch.net/matome.html(2016/3/17現在リンク切れ)

さて、さきほどから「2ちゃんねる」と一括りに言っていますが、「2ちゃんねる」は、「2ch.net」と「2ch.sc」の2つが存在します。
ほぼ同じデータなのでどちらのドメインにアクセスしているか私はほとんど意識していませんが、運営会社にとってはその違いは訴訟問題に発展するほど深刻なものです。

ここで簡単に2ちゃんねるの歴史をおさらい。

  • 1999年、ひろゆき氏こと西村博之氏が2ch.netを創設。
  • 2014年、2ch.netのサーバ運営会社N.T.Technologyがサーバ料金の未払いを理由にひろゆき氏を2ch.netの運営より解任。
    同社代表のジム・ワトキンス氏(RaceQueen社長)が2ch.netの管理人となる。
  • 2014年、ひろゆき氏が2ch.netの書き込みがそのまま反映される2ch.scを開設。
  • 2015年、ひろゆき氏が海外の2ちゃんねると言われるアメリカの匿名掲示板「4chan」を買収。
  • 2015年9月24日、ひろゆき氏がジム・ワトキンス氏に対して訴訟を起こしたことが判明。

今回の許諾制の発表は「2ch.net」によるものです。
2ちゃんねる転載の許諾制には、元々2ちゃんねる自体の著作権侵害問題が未解決のまま、加えて、新旧運営会社の訴訟問題が絡まり、好奇の目で注目を集めています。

個人アフィリエイターとしては素直にブログ転載の許諾を得た方が賢明と言えるでしょう。
ただし、アフィリエイトの過程でツールなどへの記事の転載、SNSの記事転載、トレンド系の量産サイトなど、許諾申請するサイトのURLが固定しない手法などは、転載が認められないのか、禁止事項のステマ扱いになるのかなど、不透明な部分がたくさんあるように思えます。

その他、コピペコンテンツを限りなく嫌うGoogleが2ch.net指定の広告とアドセンス広告との併用を認めるかといったことも懸念されます。

私も年甲斐もなくアイドル系のまとめサイトを運営していますので、とりあえずは2ch.net運営会社の許諾を得るため、「2ちゃんねるまとめサイト登録フォーム」への申請を済ませています。

端的に言えば、今回の改変は2ch.net運営会社の広告収入増を目的としたものです。

著作権を盾にした許諾制への移行は、最終的に自らの首を絞めるものではないでしょうか。
まさにニュースサイトから記事を無断転載している自分自身の行為を、著作権侵害であると認めているようなものですから。

ひろゆき氏運営の2ch.scのトップページのフッターに、次のような興味深い文章が掲載されています。

「転載時には2ch.scにリンク張ってね。」
2chの権利を正式に保有して運営しています。
また、2ch.net、2ch.scのログを正規に使って、不法に乗っ取った者たちからの訴訟になった場合は、喜んで訴訟費用を持ちますのでご連絡ください。

ひろゆき氏は今回の転載許諾制度の報道を受け、2ちゃんねるの転載を改めて容認した上で、現2ch.net体制に対抗するメッセージを宣言しています。

またしてもネットの自由が拘束されそうで辟易しますが、最近、4chan買収、対旧2ch訴訟と活発な動きを見せる、ひろゆき氏率いる新2ch勢力による巻き返しに期待したいところです。

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3 コメント
  1. 音任ニク 2015年12月15日
    • afirika 2015年12月15日
  2. まい 2016年2月25日

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