
今回は趣向を変え、ブログ運営で煩わしいスパム行為について述べたいと思います。
これまでにネットビジネスで受けた嫌がらせやスパム行為の被害内容とその対処法についての私的意見です。
世の中には如何なる行為であろうと、必ず批判する人々がいます。
常識的な行動を取ったつもりが、批判の対象になってしまうのです。
最近の出来事で例を挙げると。
東日本豪雨で自衛隊員が行った住民と犬の救助に対し、ニュースやSNSで拡散した称賛の声に混じって、人命優先を無視したルール違反であると指摘する声もあります。
個人的には後者の意見には甚だ違和感を感じますが、振り返るとこのような意見の相違を覚えた経験は誰しも持っていることに思い当たります。
我々が暮らす日常には「100%正しい」と断言できることは殆ど無く、純粋な人間の行動にすら評価の在り方が問われてしまうのです。
人が抱く批判の心理状況には計り知れないものがありますが、中には誹謗中傷、羨望による嫌がらせ、偏ったご都合主義など明らかに自分勝手な感情をむき出しにすることがあります。
人間だけが獲得した大脳新皮質を迂回した理性なき欲求、生き物に共通した大脳辺縁系的な利己的発想。
情動の表出を司る太古の脳らしい思考回路の産物です。
リアルな生活ですらこの有り様なので、ネットビジネス界ではさらに拍車のかかった状態であることは言うまでもありません。
そこには道徳、倫理、法律などを平気で飲み込んでしまう風潮があり、悪徳詐欺師や匿名性に保護された自称アフィリエイターたちが待ち構えています。
私もネットビジネス界との接点を持つ情報商材アフィリエイトのブログ運営を通じて、様々な弊害を身に受けています。
聖人君子のような人格者を気取るつもりは毛頭ありませんが、私なりに健全なブログ運営をしているつもりでも、必ずスパム的行為はついて回るものです。
ちょっと冒頭から大上段に構え過ぎましたが、ブログ運営で受ける大小様々な弊害は理不尽さ以外の何ものでもありません。
自由を信奉し制限を憎みますが、降りかかる火の粉は払わねばなりません。
コメントスパム
WordPress設定メニューのディスカッションで記事のコメント欄を設置することができます。
コミュニティの一環としてコメントを許可したにもかかわらず、ある程度のページビューに達すると、スパム的なコメントが後を絶ちません。
WordPressではプレインストールされているアンチスパムプラグインAkismetを有効化するだけで、あなたのブログをコメントスパムやトラックバックスパムから守ることができます。
Akismetで捉えたスパムへの対処は下記の二通りです。
- 最も悪質な種類の広範囲なスパムを自動的に削除し、目に触れないようにする。
- スパムを常にスパムフォルダーに振り分ける。
スパムの内容は、海外からのものがほとんどです。
1バイトの英語のみでは完全スパム扱いになるため、最近ではわざわざ翻訳サービスを使った意味不明な日本語のコメントが多くなりましたが、Akismetのスパムフィルターを欺くことはできません。
スパムを気にせずともよい1の自動削除が精神衛生上好ましい選択ですが、中には巧妙にフィルターをすり抜けて認証待ちになる新しいタイプのコメントスパムもあります。
このようなときには、.htaccessでIPアドレスを指定してアクセスそのものをブロックするか、コメント欄に画像認証を設けることでほぼ全滅させることができます。
.htaccessでアクセス制限
大抵の場合、WordPressインストール時にドメインのルートへ.htaccessファイルを設置しています。
WordPressインストール時に自分で作成してFTPでアップロードしたか、WordPressが自動生成したかのどちらかです。
その.htaccessファイルの末尾に下記を加えます。
order allow,deny
allow from all
deny from 123.45.678.90
deny from 098.76.543.21
deny from以下の数字はスパム投稿者のIPアドレスに書き換えてください。
IPアドレスはWordPress管理画面のコメント欄に記載されていますので、コピペで一行にひとつのIPアドレスを記入します。
これで、コメントはもとより、ブログへのアクセス自体をブロックすることができます。
私の場合、アメリカと東南アジア諸国からのスパムが多く、特に多い二カ国は国全体からのアクセスをブロックしています。
order allow,deny
allow from all
deny from .my
deny from .sg
deny from 123.45.678.90
deny from 098.76.543.21
アクセスをブロックする国種別は「deny from 国名」で検索すれば直ぐに分かります。
ちなみに .myはマレーシア、.sgはシンガポールです。
アメリカの場合は.usではなく、comやnetなのでプロバイダー数が多すぎてこの方法でアクセスを弾くことは現実的ではありません。
また、GoogleやFacebookなどアメリカ本社のWebサービス会社に関連するアクセスを拒んでしまっては不具合が生じる可能性もあるため、国別のブロックには注意が必要です。
.htaccessの記述は、契約ドメインの仕様にしたがってください。
.htaccessの編集は、最新ファイルをダウンロードしてバックアップを取った上で行ってください。
画像認証でbotをブロック
.htaccessのアクセス制限で期待通りの効果が得られないときには、次の画像認証をコメント欄に追加します。
コメントスパムは、自動化されたbotからの書き込みがほとんどです。
そこで人間が目測しなければ、認識できない画像認証プラグインをコメント欄に追加します。
高度に擬態したスパムbotでも一発で退治することができます。
当アフィリ課ブログでも採用している「SI CAPTCHA Anti-Spam」プラグインがおすすめです。
インストールするだけでコメント欄に画像認証フォームを追加してくれます。
プラグインの新規追加画面で「SI CAPTCHA Anti-Spam」を検索し、インストールします。
導入後は、プラグインメニューに「SI Captchaオプション」が追加されます。
ここで画像認証のオプションやフォームのCSSを修正することができますので、追加されたフォームの微調整をしたい場合に利用します。
当アフィリ課ブログの場合、画像認証のコード入力フォームが上の画像認証にやや重なってしまったので、「CSS style for CAPTCHA input DIV」欄に「padding-bottom:5px;」を追加して修正しました。
その他、Captcha by BestWebSoftという簡単な数式の答えを入力する認証方法もあり、例えば「3×五」というように日本語での設定が可能になります。日本語を認識できないとコメントができませんので、海外からのアクセス制限に有効です。
なりすましによるメルマガの登録と配信被害
他人のメールアドレスを本人になりすまして行われるメルマガに関する被害です。
一つの不正行為で、メルマガ購読者、メルマガ配信者という立場によって異なる二通りの被害が生じます。
メルマガ購読者側からは、勝手に様々なメルマガにメルアドを登録されてしまう「メルマガ登録被害」です。
この被害は、配信者側から見れば、購読の意思がない人に迷惑メールを送りつけて信用を失う「メルマガ配信被害」に相当します。
メルマガ登録被害
「メルマガ登録被害」は、購読した覚えのないメルマガが突然届くことです。
これはメルマガの配信解除にしたがって即解除するしか対処法はありません。
たまにメルマガ配信先の方が親切心から、自分のメルマガに不正登録があった旨の連絡をいただくことがあります。
一斉送信機能を使い、勝手に登録されたアドレス先に向けての謝罪メールです。
この時、BCCではなくCCにメルアドを入れるため、宛先が丸見えになることがあります。
自分のアカウントに混じって、この業界では有名なアフィリエイターさんのドメインを見かけることがあり、そんな時は「あの有名アフィリエイターさんと同じ扱いを受けた」などと嫌がらせ行為を受けていることを暫し忘れることがあります。
こんなことで肩を並べても仕方がないのですが(笑)
メルマガ配信被害
一方、自分が運営しているメルマガに他人のメルアドを偽って登録されてしまう「メルマガ配信被害」があります。
こちらはある程度本人を特定することが可能です。
メルマガプログラムにはほとんどの場合、購読希望者のIPアドレスを取得する機能があります。
これはWordPressのお問い合わせフォームでも同じことです。
この機能を使って、IPアドレスをLookupし、所在地を特定します。
私が受けた被害では、いずれの場合も某インターネットカフェの某支店からでした。
なりすまし本人が契約したプロバイダーでは簡単に犯人が特定されてしまうため、ネットカフェを利用したというところでしょう。
インターネットカフェで相次ぐ犯罪を抑制する意味合いで、防犯カメラの設置や2010年度から身分証明書の提示、確認義務を定めた「インターネット端末利用営業の規制に関する条例」が成立しています。
日本複合カフェ協会などの推進により、インターネットカフェでは会員制の店舗が大半となってきており、データの保存期間は3年です。
つまり、保存データと照合すれば犯人の割り出しは意外と簡単ではないかということです。
被害内容と追跡したIPアドレスの証拠を保管しつつ、一般財団法人日本データ通信協会や迷惑メール相談センターなどに被害報告を行い、再発に備えるべきです。
レビュー記事の削除要請
おまけとして「レビュー記事の削除要請」についてのお話しです。
手の内を明かしてしまうと不利になるため、具体的なことには一切触れませんので、あしからず。
情報商材のネガティブレビューに対して、販売者(社)からの削除を求めるメールが届くことがあります。
ビジネスライクな口調をとりつつも、やんわりと「弁護士」という言葉を印象づける言い回しで記事の削除に迫ります。
彼らの言い分は、著作権侵害、名誉毀損、営業妨害です。
これらは、著作権法32条の例外規定の引用、刑法第230条の2にあたる公共の利害に関する場合の特例、利益衡量論の基、無効化することができます。
最後になりましたが、私程度のものでもこうした被害に遭っていますので、ASPランキング上位に名を連ねるアフィリエイターさんたちはもっと陰湿な嫌がらせを受けているのか、気になるところです。
ASPの公式メルマガで特定のアフィリエイターを名指しにした批判メールが配信されたことは、記憶に新しい出来事です。
それとも、私のようにネットビジネスの端っこの世界でチマチマと活動している者とは違って、ネットビジネスヒエラルキーの階段を上がるたび、これまで述べてきたようなことはケタ違いのアフィリエイト報酬に埋もれてしまい、瑣末なことに思えてしまうのかもしれません。