
人間は理性、感情、本能の順で行動する生き物です。
ダイエットに失敗している人は、本能的な体質改善を目標にしない限り、理性でダイエットしようと考えてみたところで、せっかくの決意も熱しやすく冷めやすい感情に揺さぶられてしまい失敗に終わってしまいます。
そもそも本能的に食欲を抑えきれない体質なので、なかなか思う通りにはいきません。
「ダイエットをはじめたけど美味しいそうなケーキが食べたくなった。我慢しようと思ったけど、お腹がグーと鳴ってしまい、2つもぺロリと食べてしまった」
理性が感情にあっさりと負け、本能には真剣にダイエットに取り組んでいないことを見透かされています。人間ならば、誰しも反応してしまう自然な行動パターンです。
コピーライティングにも人の感情や欲求に揺さぶりをかけていく法則があります。
有名なコピーライターであるマイケル・フォーティンが提唱した「GDTの法則」です。
GDTの法則とは、人間が持つ9つの欲求を、さらに3つのレベルに分類化したものです。
- Time(時間をかけたくない)
- Effort(努力したくない)
- Money(お金を稼ぎたい、節約したい)
- Greed(富、名誉、貪欲さ)
- Lust(愛、渇望、性的なもの)
- Comfort(快適さ、悩みや苦痛のない状態)
- Scarcity(希少性)
- Curiousty(好奇心、興味)
- Controvesy(反社会性)
欲求のレベルは「G⇒D⇒T」の順に強くなります。
「目標⇒欲望⇒本性」という順で欲望が高まります。
興味深いのは「Money お金」より「Controvesy 反社会性」の方が、人は感情を揺さぶられやすいということです。
より本能に近い欲求なのでしょう。冒頭の「理性⇒感情⇒本能」とも一致します。
あなたのブログ、メルマガ、セールスレターにおいて、人間の9つの欲求を刺激する文章を書くことで読者に強い衝動を引き起こすことができます。
1.GDTの法則 G(Goal)⇒目標
この段階では、人はまだ理性によって物事が判断できる状態にあり、時間、努力、お金を極力費やさずに目標とするところへの到達を試みます。
- Time(時間をかけたくない)
- Effort(努力したくない)
- Money(お金を稼ぎたい、節約したい)
- Time(時間をかけたくない)
- 人は誰しも最短で物事を達成したいと考えます。
「このダイエット法なら、1週間で10kg痩せることができます」
- Effort(努力したくない)
- 努力せずに物事が達成できたら、それに越したことはありません。
「このダイエット法は、自宅に居ながら1日たった5分の運動でいいのです」
- Money(お金を稼ぎたい、節約したい)
- お金は稼ぎたい、極力使いたくないという、人の共通した考え方です。
「このダイエット法は、ジムやエステに通う必要がありません」
2.GDTの法則 D(Desire)⇒欲望
行動が理性から、より人間性の本質に近い欲望という感情に引き継がれます。
貪欲さ、性的なもの、快適さという願望が行動を促します。
- Greed(富、名誉、貪欲さ)
- Lust(愛、渇望、性的なもの)
- Comfort(快適さ、悩みや苦痛のない状態)
- Greed(富、名誉、貪欲さ)
- 人は富、名誉、権力といった、今以上の存在を求めてやみません。
「もっとお金が欲しい」
「もっと高い社会的地位を得たい」
「もっと尊敬されたい」といった欲望に訴求する表現を用います。
「このセミナーに参加することで、一生お金に困ることは無くなり、社会的地位も上がります」
- Lust(愛、渇望、性的なもの)
- 人は外見や服装にこだわります。すべて異性を意識した行動です。
「この講座に参加して会話術を身につけ、女性にモテたくありませんか?」
「誰にも気づかれずにバストアップした秘密をあなたも知りたくありませんか?」 - Comfort(快適さ、悩みや苦痛のない状態)
- 悩み事や苦痛から解放され、快適な状態にありたいと願う人間の共通した欲求です。
「会社に行かなくていい」
「お金の心配をしなくていい」
「時間に束縛されない」といった願望を抱えているサラリーマンに「自分で稼ぐ力を身につけ、脱サラして快適な生活を送りませんか?」といった表現を向けた場合、反応が高く行動を起こしやすいものです。
GDTの法則で一番強い欲求レベルです。
行動が理性から感情を経て、本能に辿り着きました。
希少性、好奇心、反社会性といった人の本性に訴えかけます。
もちろん嘘はいけません。
- Scarcity(希少性)
- Curiousty(好奇心、興味)
- Controvesy(反社会性)
- Scarcity(希少性)
- 人は、希少性が高い、レア品、掘り出し物、限定販売、期間限定に興味をそそられるものです。
具体例として、この記事を書いている現在、私のgmailに溜まっているメルマガのタイトルを見てみましょう。
「本日販売終了です、必ず確認をお願い致します」
「残り12時間、どちらの道を選びますか?」
「ご視聴ありがとうございました。明日で募集受付終了です」
「15名限定!無料セミナー開催決定!」
「10年に1度のチャンスを活かし月収100万円稼ぐ方法」どれも希少性をあおっています。
無料オファーから届いたものがほとんどなので、露骨過ぎてメールを開く気もしませんでしたが、今回例題として役に立ったので良しとします(笑) - Curiousty(好奇心、興味)
- 人は好奇心や興味をそそられるものが大好きです。意外性のある話題で興味を惹きつけます。
こちらも未読メールから抜粋してみます。「入院しながらスマホ1台で毎日5万円稼いだ方法」
「SEOで50億稼いだ男の告白とは?」
「○○さん、5秒で360万円ですよ。」
「070-○○○○-○○○○で電話待ってます。」
「現金自動収集ツールを無料で差し上げます」 - Controvesy(反社会性)
- 人は常識を覆すような「ドキッとする」ことや「これはマズイだろう!!」と思える過激なものに本質的に心を惹かれてしまいます。こちらも未読メールから引用です。
「凄すぎる、日本一非常識なビジネスを公開します。」
「傷害罪で訴えられました」
「非道徳なアフィリエイトの全貌を公開」
「業界内部からクーデター勃発!?」皮肉ではなく、情報商材メルマガのタイトルは勉強になります。
※注意:
上記の例題を検索してオファーに参加しないでください。
4.まとめ
コピーライティングで人の心を動かすためには、9つ全ての欲求が必要というわけではありません。より多くの要素を自然に文章に盛り込むことが大切です。
でも、1週間後に10kgも痩せた私を見て、友達もビックリして私に話を聞きに来ました。彼氏にもモテモテです。
そんな誰もこれまで試さなかった秘密のダイエット成功法を限定100名様に大公開します!!」
- 1週間後(Time:時間をかけたくない)
- テレビを見ながら(Effort:努力したくない)
- エステに通うことなく(Money:節約したい)
- 友達も私に話を聞きに来ました(Greed:名誉)
- 彼氏にもモテモテ(Lust:愛)
- 10kgも痩せた(Comfort:快適さ、悩みや苦痛のない状態)
- 限定100名様(Scarcity:希少性)
- 秘密のダイエット成功法(Curiousty:好奇心、興味)
- 誰もこれまで試さなかった(Controvesy:反社会性)
このように荒削りなコピーを作成し、その後から話の枝葉を拡げていくことで、自然な展開で欲求を差し挟むことができ、効果的な文章が出来上がります。