ネットビジネス関連のメールをGmailでクラウド化する方法

独自ドメインもGmailでクラウド化

SkypeやLINE、ハングアウトなどの普及で無料のテキスト、音声、ビデオ通話が可能になり、ネットビジネスにおいては販売商材や特典のサポート手段として利用されています。

ネット黎明期世代の私としては、チャットツールといえば、NetMeeting、ICQ、Yahoo!チャットが脳裏を掠め去りますが、ICQだけは今でもAndroid、iPhoneのスマホアプリを提供し、「カッコー」と鳴くあの特徴的な着信音はやや女性的な声色になって健在のようです。

こうした無料ツールは友達間やネットビジネスでは盛んに使われていますが、リアルビジネスではそれほど浸透しておらず、外部とのコンタクトには依然としてメールでのやり取りが主流です。

とはいえ、従来のメールソフトを使った送受信方式までは後退したくありません。
そんな不便なツールを未だに使っている人が世の中にはゴマンといますが、Web制作会社の同業者にも少なからず存在することに私は驚きを隠せません。

たまに間違ってWindows Live メールのアイコンをクリックしてしまったとき、起動するまで待つ羽目になりますが、その時の遅々した起動にはイライラを通り越して、怒りさえ感じてしまうことがあります(笑)

怒りはともかくとして、パソコンごとにメールソフトで送受信を行っているようではどこへも出掛けられません。
外出時に持参したノートパソコンのメールソフトでメールを受信することを問題視はしませんが、自宅に戻り普段使っているデスクトップパソコンを立ち上げてもその受信メールはありませんので、うっかりノートで受信したことを忘れてしまうことがあります。

忘れないまでも、デスクトップPCにメールを転送したり、ノートPCから返信をしなければなりません。しかも1か所に履歴が残らないため、後日メールを再確認する必要がある場合、かなり非効率な作業を強いられます。

パソコンは一台しかないので、心配ご無用という声が聞こえてきそうです。
では、そのパソコンが壊れてしまったら、あなたはどうしますか?
新しいパソコンに買い換えるとき、あなたはどうしますか?

壊れたらこれまでのメールデータは諦めますか、買い換えるときにはUSBメモリーでデータをインポートしますか?
もうそんな前世紀然とした面倒なことは止めましょう。

独自ドメインもGmailでクラウド化

メールをクラウド化することで、デスクトップPC、ノートPC、タブレット、スマホのどの端末でも、ネットワークにアクセスできる環境さえあれば、いつでもどこでもすぐにメールの送受信が可能になり、ビジネスの効率を飛躍的に高めることができます。

外出前にデスクトップPCで受信したお客様のメールを、外出先での待ち時間にスマホで返信をする、といったことが当たり前になります。
Dropboxで会社の書類をクラウド化したように、メールの送受信もどこからでもアクセスすることができるわけです。

以前はGoogle AppsというGoogleのサービスがあり、独自ドメインのメールアカウントを10個までは無料でクラウド化することができたのですが、現在は有料版しかありません。私は無料版があった頃から使っていたので、会社サイトや個人用のブログなど5ドメインは、今でもこのサービスを利用しています。

有料版を使うという手もありますが、Gmailを次の方法で利用することで、有料版と変わらぬ機能を得ることができます。

POPとIMAPプロトコル

そのためには、独自ドメインを利用するためにあなたが契約しているレンタルサーバ会社が、POP(POP3)とIMAPといったメール形式をサポートしている必要があります。

メールを閲覧するプロトコル(決まり事)は、POPとIMAPの二つの形式があります。

POP方式POP
従来のPOP方式では、メールサーバに保管されているメールをあなたのパソコンにメールソフトを使ってダウンロードし、パソコン側で受信ファイルを管理します。
基本的にダウンロードしたファイルはメールサーバには残っていません。


IMAP方式IMAP
一方、IMAP方式は、送受信したメールはサーバ上に保管され、ネットワークにつながった環境下であればどこからでも閲覧することができます。Gmailはこの方式であり、閲覧にはメールソフトは使わずに、スマホアプリやブラウザでアクセスするだけなので、同じメールアカウントを複数の端末で同期することができます。


あなたのメールアドレスを発行したレンタルサーバ会社のメール機能にPOP(POP3)とIMAP機能があることを確かめてください。
通常のレンタルサーバはPOPとIMAPの両方を利用することができます。

また、IMAPはPOPと違い上図の通りメール受信後にメールデータをサーバから削除しませんので、メールボックスの容量は無制限のものが最適です。(動画や高画質な画像を大量にメール添付しない限り、数GBでも十分に容量は足ります。)

Gmailを用意する

Gmailを用意します。Gmailの利用はGoogleアカウントが必要です。
既存のGoogleアカウントを使うか、下記のアドレスから新規作成します。

Google アカウントの作成

Googleアカウント
必要事項を入力し、「次のステップ」ボタンをクリックします。

Googleアカウントの確認

コードの受け取り方法を選択します。
テキストメッセージ(ショートメール)のときは、キャリアのメールアドレスを、音声通話のときは、電話番号を入力し、「次へ」を押します。
Googleからショートメールまたは電話がかかり、認証コードが発行されますので、そのコードを次画面で指定された欄に入力してGoogleアカウントを取得してください。

Gmailに独自ドメインの送受信を設定

Gmail設定画面Gmail を使用して他の複数のメールアカウントを1か所で管理することができます。

Gmail の Mail Fetcher 機能を使用して、他のアカウントのすべての古いメッセージを Gmail にインポートし、それ以降の新着メッセージを Gmail で取得することができます。
最大5アカウントを追加することができます。

Gmailにアクセスし、右上の歯車アイコンを押し、表示された画面の「設定」をクリックします。


POP3 を使用して他のアカウントのメッセージを確認

「アカウントとインポート」タブを選択します。
「POP3 を使用して他のアカウントからのメッセージを確認」セクション欄にある「自分の POP3 メール アカウントを追加」をクリックします。


自分の POP3 メール アカウントを追加Gmailで一元管理したい独自ドメインのメールアドレスを入力し、「次のステップ」をクリックします。

独自ドメインのメールをインポートする場合、そのサーバ会社がPOP(POP3)を提供している必要があります。事前にPOP(POP3)をサポートしているか確認しておいてください。


次画面の「ユーザー名」「パスワード」「POPサーバー」「ポート」欄にはサーバ会社で設定した各メール設定情報を入力します。

自分のメール アカウントを追加
メールをインポートする場合、様々なオプションがあります。

  • 受信したメッセージのコピーをサーバに残す。
    チェックを無効にすると、インポート元のアカウントの受信メールを削除し、Gmailでのみアクセスできるようになります。私の場合はサーバ会社のメールサーバは無制限なので、チェックはオンにしています。

  • メールの取得にセキュリティで保護された接続(SSL)を使用する。
    このオプションはオンにしておくことをおすすめしますが、エラーが発生した場合にはオフにします。

  • 受信したメッセージにラベルを付ける
    このアカウントのメールを受信トレイで簡単に見分けられるようにするには、このチェックボックスをオンにします。管理しやすいフォルダー名を作成し、そこにまとめて指定したメールを保存することができます。
    後から新しいラベルを指定してソートすることも可能ですし、変更することもできます。

  • メッセージを受信トレイに保存せずにアーカイブする
    インポート元のアカウントの新しいメッセージを受信トレイに表示しない場合にのみオンにします。
    後から変更することもできます。

入力後、「アカウントを追加」をクリックします。

エラーメッセージが表示される場合は、「エラーの詳細を表示」リンクをクリックして問題の詳細を確認します。
インポート元のサーバがPOP(POP3)をサポートしている場合、ほとんどが「ユーザー名」「パスワード」「POPサーバー」「ポート」の入力ミスです。


メールアカウントを追加しました。

アカウントが正常に追加されると、メールの送信元アドレスとして、この独自ドメインのアドレスを使用するかどうかを確認するメッセージが表示されます。
この設定を使用すると、Gmailで作成したメールを、独自ドメインのメールアカウントから送信したように見せることができます。
「はい」にチェックを入れ、「次のステップ」をクリックします。


自分のメールアドレスを追加

「名前」は送信先の相手側に表示するあなたの名前です。
メールの送信元アドレスにあなたの名前(本名、会社名、ニックネーム)を入力し、「次のステップ」をクリックします。


自分のメールアドレスを追加

利用する独自ドメインの「SMTPサーバ」「ユーザー名」「パスワード」を入力し、「アカウントを追加」をクリックします。「SMTPサーバ」「ユーザー名」「パスワード」はレンタルサーバ会社で発行された情報を確認してください。


自分のメールアドレスを追加

利用する独自ドメインがあなたが所有しているものかどうかの確認をするため、設定したメールアドレス宛に下記のようなメールがGoogleから送られてきます。(この段階ではまだGmailに統合されていないので、これまでの方法でメールを確認してください。)
そのメールに記載された確認リンクをクリックするか、確認コードを上図の赤枠に入力して「確認」ボタンを押します。

確認メール


設定が完了すると、アカウントとインポート画面にメールアカウントが追加されます。

アカウントの追加

Gmailでは、インポート元のアカウントに届いた新しいメールの確認が自動で定期的に行われます。

まとめ

メールソフトを卒業してGmailであなたがお持ちのメールをクラウド化することができます。
設定したメールアドレスの新規受信メールは定期的に確認され、Gmailに届けられます。送信もGmailを使用して行うことが可能です。

これにより、すべてのメールアドレスが、Gmailにアクセスするだけで一元管理できるようになりました。
外出時はもちろん、旅先でもGmailのスマホアプリが新着メールを通知してくれますので、不在時の余計な心配をすることはもうありません。

そして、クラウド化したメールは、パソコンが壊れてもパソコンを買い換えても、Gmailにデータは保存されています。心配することなく、Gmailにアクセスするだけですべての送受信データは再現されます。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*