
ブログの不測の事態に備え、バックアップを取っておくことは大切です。
私はサラリーマン時代、データベースサーバの不具合に遭い、バックアップしていなかったため、サルベージ会社に100万円近いデータ復旧料を支払った苦い経験があります。
そうならないように、WordPressではBackWPupという定番のテンプレートがありますので、ブログ開始に合わせインストールしておきましょう。
WordPressの場合、バックアップするファイルは2つあります。
1つは、あなたがインストール時にFTPでアップロードしたWordPress本体のファイルです。記事投稿時にアップロードした画像や導入したプラグインも含まれます。
もう1つは、記事やコメントの文字、カテゴリや管理画面の設定情報などを保存したデータベース情報です。
- FTPサーバー上のデータ
WordPress本体ファイル、画像、テーマ、プラグインなど - MySQLデータベース上のデータ
記事やコメントの文字情報、カテゴリや管理画面の設定情報など
BackWPupはこの2つのデータを自動でバックアップしてくれる優れたプラグインです。
バックアップを行うということは、サーバダウン、データベースクラッシュ、操作ミスなどによるデータ喪失といった緊急事態において、あなたのブログを速やかに復旧するためです。
そのため、バックアップしたファイルをブログと同じサーバに保存しておいては、本質的には意味がありません。データが破損なり喪失した状況を想定した場合、同じサーバに保存したバックアップファイルも同時に消えてしまうからです。
これでは意味がありません。
バックアップファイルは、保存元とは異なった環境に保存する必要があります。
BackWPupでは、そういったことも考慮され、バックアップデータの保存先として、メール、FTP以外にもクラウドのDropboxにも対応しています。
私が運営しているWeb制作会社では、制作したWordPressサイトは無条件でBackWPupを導入しています。万が一の場合を考えたとき、精神的安心感を得られます。
BackWPupは有料版もありますが無料版で十分なので、是非インストールして不測の事態に備えてください。
目次
1.BackWPupの設定方法
WordPress管理画面から「プラグイン」→「新規追加」を選択し、検索窓から「BackWPup」を検索してください。表示されたBackWPupの「いますぐインストール」ボタンを押します。
「このプラグインをインストールしてもいいですか?」というダイアログボックスがポップアップしますので、「OK」ボタンを押します。
次に「プラグインを有効化」をクリックしてインストールを完了します。
サーバによっては、サーバ上に自動的にインストールできない場合もあります。その時はWordPressプラグインサイトからパソコンに一端ダウンロードしてから、FTPでプラグインの保管先(/wp-content/plugins)にアップロードしてください。
2.自動バックアップの設定方法:一般
BackWPupの自動バックアップ設定を解説します。
インストールが完了した時点で上図のようになります。
先ずは新規バックファイルの設定を行います。
「新規ジョブ追加」ボタンを押し、左上の「一般」タブの設定から行います。
- このジョブの名前
- 好きな名前を記入。日本語でも問題ありません。
- ジョブタスク
- 「データベースのバックアップ」と「ファイルのバックアップ」「インストール済みプラグインリスト」は必須です。
- バックアップファイルの作成 アーカイブ名
- 初期値のままです。
- アーカイブ形式
- 圧縮率の高いTar GZipがデフォルトで設定されていますが、解凍できる環境に合わせて選択してください。
- バックアップファイルの保存方法
- 私の場合は、ドキュメントルート(public_html)より上の階層(非公開領域)に「フォルダにバックアップ」し、有料版のDropboxを利用していますので「Dropboxにバックアップ」を選択しました。
バックアップファイルは、バックアップするWordPressと異なる環境下に保存しないと意味がないので、あなたのブログをインストールしたサーバとは別のサーバをお持ちの場合は、その別のサーバに「FTPにバックアップ」をおすすめします。
「メールでバックアップを送信」はメールでは容量が大きすぎるので適しません。
Dropbox以外のクラウドサービスを利用している場合は、そちらを選択してください。 - ログの送信先メールアドレス
- エラーログの送り先です。
初期値では管理者のメールアドレスが入っています。変更が必要な場合は適時変更してください。 - メールのタイトル
- 「BackWPup ブログタイトル <管理者メールアドレス>」がデフォルトで入っています。滅多に届かないメールなので「○○のバックアップエラー <送信先メールアドレス>」のように変えておくことで、メールが届いたときにスパムメールと間違ってごみ箱に捨てる心配が無くなります。
- エラー
- 「ジョブの実行中にエラーが発生した場合にのみログをメールで送信」にチェックを入れ、バックアップのエラー時にのみメールが届くようにします。
バックアップ作業が失敗した時に、エラーログが記載されたエラーメールが届きます。私の経験上、バックアップのデータ量が多い場合に処理に時間がかかりますので、タイムアウトエラーになってメールが届く場合が多いです。
3.スケジュール
「一般」の次は「スケジュール」タブに移ります。
- ジョブの開始方法
- 「WordPressのcron」を選択します。
- スケジューラタイプ
- 初期値のまま「基本」を選択します。
- スケジューラ
- この設定は任意です。
私の場合は、「毎日」ブログのアクセスが少ない「午前3時」に設定しています。
「毎週」の場合、最大で6日間復旧できないデータが存在してしまいますので、「毎日」をおすすめします。
4.DBバックアップ
「スケジュール」の次は「DBバックアップ」タブに移ります。
DBバックアップは全て初期値のままです。
5.ファイル
「DBバックアップ」の次は「ファイル」タブに移ります。
基本的にファイルは全て初期値のままです。
「除外」したいフォルダーがある場合は、チェックを有効にしてください。
6.プラグイン
「ファイル」の次は「プラグイン」タブに移ります。
プラグインは全て初期値のままです。
7.宛先:フォルダ
「プラグイン」の次は「宛先:フォルダ」タブに移ります。
「一般」タブでバックアップファイルの保存方法で選択した「フォルダにバックアップ」の設定になります。
- バックアップを格納するフォルダ
- バックアップ先を指定したサーバのパスが入っています。
基本的にはそのままで問題ありませんが、私は、ドキュメントルート(public_html)より上の階層(非公開領域)を指定しています。 - ファイルを削除
- 保存した世代分の日数を記入します。「10」の場合、10世代分が保存され、最大で10日前のデータまでさかのぼれます。
例えば2日前のデータに戻したいという要望は滅多にないと思います。
あなたが毎日ブログを更新していれば、ブログに不具合が生じた場合、直ぐに気が付きます。しかし、何らかの理由で「数日間」ブログを見ていない間に、ブログのデータが破損してしまうことも考えられます。その数日間のリミットが「10」日間ということになります。ブログデータの一部がまたは全破損して、BackWPupが稼働している場合、破損後11日目には破損したデータしかバックアップには残っていません。
8.宛先:Dropbox
「宛先:フォルダ」の次は「宛先:Dropbox」タブに移ります。
「一般」タブでバックアップファイルの保存方法で選択した「Dropboxにバックアップ」の設定になります。
- 認証
- 未設定時は、「認証されていません!」表記です。
- Dropboxのアプリへのアクセス
- 「Dropboxのアプリ認証コードを取得」ボタンを押します。
上図が表示されますので、「許可」ボタンを押します。
アプリ認証コードをコピーして、「Dropboxのアプリへのアクセス」項目欄に貼り付けて、「変更を保存」ボタンを押します。
Dropboxが認証され、画面が変わります。
- ファイルを削除
- 「宛先:フォルダ」の同項目と同じ内容です。上記を参照してください。
「Dropbox→アプリ→BackWPup」内にバックアップファイルが保存されます。パソコンと同期している場合は、同フォルダーに毎日バックアップファイルが自動的に生成されます。
9.バックアップテスト
設定はこれで完了です。
バックアップが正常稼働するかテストします。
「今すぐ実行」リンクをクリックします。
ジョブが実行されます。
警告:0 エラー:0
ジョブが完了しました。
10.まとめ
初期設定を済ませてしまえば、あなたが忘れていてもBackWPupプラグインが毎日バックアップをしてくれます。
WordPressに限らずバックアップファイルは、物理的に異なる数か所(最低2箇所)で保存することが理想です。